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部屋とYシャツとわらG

部屋とYシャツとわらG

小学校2年生 夏休み

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2006/07/24
暗い山道 「障害児と生きる日常(26551)」 [ 最近のことの日記 ]
 本日は町内の子ども会行事。徒歩で行けるキャンプ場に行って、草笛教室やキャンプファイヤーや肝試し?の予定だが、雨天時は自治会館でゲーム。


 昼からやたらとぐずっていたSは、参加すら危ぶまれる状況。集合場所までじいちゃんの車で行ったが、「降りない」と怒っている。

 結局、私が無理やり連れ出すものもしばらくは抱っこ状態。そのうち、少しずつ子どもたちが増えてきて、近所の5年生と3年生の姉妹が遊んだりしてくれるとご機嫌になってきた。

 シールの名札が配られて、「ずっと貼っててね」と言われたが、Sにはそれは無理というもの。シールをはがしたり丸めたりが大好きなのだから…。案の定3秒後にははがしている。ことばで語りかけてははがされるを繰り返したのち、あきらめて、背中の上の方に貼った。これなら人からわかるし、手が届かないだろう…と思いきや、私と違って体の柔らかいSは背中に手を回して上手にはがす。

 あきらめたフリをして、忘れた頃にサッと背中に貼るのだが、なぜか気が付くのであった。そのうちシールの粘着力が落ちて付かなくなったのであきらめた。

 小雨になってはいたが、昨日から降っているので無理かと思いきや、世話役のお母さんたちの判断は「強行」! 一応準備はしてきたが結構びっくり!

 さて、徒歩で行けるキャンプ場…とはいえ、30分以上はかかるし、川沿いのかなり危険な山道だ。川は増水しているし、万が一落ちると…というこわい感じではあるが一応少しは川から離れている。でも舗装された道ではないのでかなり泥でびちゃびちゃ。行きは夕方だったから見えるけど、帰りは見えないのでは…と心配になり、街灯を探したが…街ではないので当然ない。まっ暗なこの道を、Sを抱っこして歩いて帰るのか…と思うと少し気が遠くなった。

 キャンプ場に着いたあとは、食事をして、さあ草笛を…というタイミングで雨が降ってきて、バンガローに入り、そこで草笛を少しやった。正確には、みんなは少しやって、Sは葉っぱをちぎって遊んでいた。そのうちキャンプファイヤーは燃え尽き、雨で花火も中止になったが、バンガローで恐い話を聞いた高学年は肝試しに行き、低学年で親がついている人は解散・帰って良しとなった。

 さて、解散となったものの、行きに来た川沿いの道はそれこそまっ暗である。うちには手で振って充電する暗い懐中電灯の光しかない。

 上に兄弟がいる人なんかはまだ残っていたので、帰る人はそんなに多くない。だが、うちはSがへそを曲げる前に帰ることにした。

 前に一組の親子がいてその光の方向に付いていけばいいやと思ったが、ずいぶんとスピードが早い。あっという間にいなくなったので、妻に思わず「今の親子、まさかこの世の人じゃなかったとかそんなことないよな?」と聞いてしまうほどあっという間に目の前の光が消え、まっ暗になった。

 恐い話聞かなくてよかった…。肝試し、わざわざしなくても帰るだけで十分恐いぞ(笑)。

 道が暗いから、恐がって、歩かずに抱っこを要求するであろう…と思われたS…なぜかよく歩いている。こういう危険な道が好きなのだろうか?

 さらにすごいのは、私が、よく見えずに足で探りながら歩こうとする所でも、手をつないだまま自分が先に行こうとする。道が細くなっていたり橋があったりとかも対応している。

 「こいつ、見えてるよ…」と言いながらふと思ったのだが、やはり自閉ちゃん、何か特殊能力があるのだろうか?

 「夜道でも見えている鳥目機能」…あまり就労とかには役に立たないか。(泥棒稼業には役立つが) 
 
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆2006/07/26
認定就学 「障害児と生きる日常(26551)」 [ 最近のことの日記 ]
 うちのSは小学校の特学(固定級)に通っているのだが、就学相談の時の判定は養護判定だったので、学期ごとに市教委・校長・担任などと面接することが今の学校に行く時の条件となっていた。

 これが実にめんどうだ。

 いつしかSの能力が飛躍的に伸びて、先生たちから「いてくれないとクラスが困る」とでも言われれば(笑)、形式だけの会で済むのだろうが、かなり手を焼かせたままの状態が続いているので、向こうも「できればそろそろ転学を」という姿勢なのだ。特に市教委は一貫してそうだ。

 担任の先生たちには、よくしていただいているし、ここでできることとできないことをちゃんと判断してもらっているので、「ずっとこのまま過ごしても身につかない力がありそう」という点ではお互いに話を理解している。

 入学当初とずいぶん変わったのは校長。たぶん特別支援教育の流れで、通常級から発達障がいの子たちをたくさん受け入れていこうという思惑が上から伝えられたと思われ、特学の位置づけを(通級学級的なものに)変えていくためにも、少なくとも判定と違うのに通っている子をよそに移そう…としているように感じられる。

 同じ都道府県内の他市で、同様の感覚を感じた…という話を以前自閉症協会のメーリングリストで見たことがある。その方の市と共通していることは、定員に空きのある養護学校が同じ市内にあるということだ。

 こういう言い方はなんだが、就学相談って行政の都合で振り分けられているんだな…という気がする。

 ちなみに養護学校の中での普通学級と重度重複学級の振り分けってどんな基準なのか、以前の勤務校で聞いた時に、担当の人が「名目上は何か基準があるけど、運用上は、1対1対応が必要な人から順番に重度重複学級に定員になるまで入れていく方向」と答えてくれた。

 「えっ、でもそのクラスって、障害が重複しないとダメなんですよね?」と私が聞くと

 「障害名なんてつけようと思えばすぐ2つくらいになるし、手厚い状態をわざわざ断る保護者もいないからねえ。本当はみんなこの人数(生徒2対教員1)でつけるならいいけどそうじゃないから、少しでも学校全体で教師の数を増やすには、重度重複枠をいっぱいにしないともったいないんだよ。」と言われた。

 なるほど、本人のためにもなるけど、ある意味完全に学校側の都合だなこりゃ…と思った。

 元教諭(1年だけど)だったから、養護学校のメリットもデメリットもわかっているつもりだし、「Sに合う」とこちらでも判断した段階でお世話になりたいと思っている。だが、市教委と校長の「養護学校への幻想」にはちょっとあきれた。養護学校に行けば、「常に個別の学習」をしてくれるし、「身辺自立」に力を入れてみんなできるようになるし、Sにとってはこれがベストな環境…と。あんたたち、あまり見学とか行ってないだろう、障碍児教育の現場の大変さをなめたらアカン…という感じで、そこんところは少し語っておいた。
 
 うちの市にある養護学校はいろいろと地域の障がい児に門戸を開いた活動をしてくれているので、Sはそれにも参加しているし、そこで会う先生たちや保護者・子どもたちの感じはいいし、現在のうちのSの様子からは、いずれはこちらにお世話になった方が良さそうだなと思っている。

 が、行政がそれを決めるのではなく、「アドバイス」のみにとどめるべきではないだろうか。本人と保護者が普通の学校の通常級…と選べば、マンツーマンで人をつけたり、行政が人員から予算まで全面的にがんばる…というシステムにいつかなるといいなと思った。

 内情を知っていたり、すぐにていねいなことばで反論できるあつかましい私にして、こんな風に追い込まれるのだから、世の多くの保護者の方々が就学問題で苦労しているのだろうなあ…と思う。

 入ってからもこんなに苦労があるとは計算外であった。

 ただ、今回も「来年度から」とか「来学期から」とか具体的な期限を言わさないことには成功した! 今しばらくずるずる引っぱりましょう(笑)。せめてもう少し通常級の子達と交流してからじゃないとなあ。

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2006/07/27
認定就学 その2 「障害児と生きる日常(26551)」 [ 最近のことの日記 ]
 今日、学校のプールにSを連れて行った。

 その時に、1年生のG君とお父さんに会った。

 G君はうちと同じく認定就学(養護判定が出たけど特学に条件付きで通っている)仲間だ。うち以上にお母さんとお父さんが交代でお世話をしに学校に来ている。ダウン症のG君は、多動で上手に脱走する(笑)が、様子を見ていてもなかなか今後の成長に期待できる感じの子だ。この1学期での成長も著しかった。

 でも、もしや…と思い、「市教委の面接、もしかして大変でした?」と聞いてみた。

 お父さん曰く、「私は行かなかったのですが、妻は結構言われてショックだったみたいです」とのこと。流れから考えると、やはり手のかかる子、いや手がかかるかどうかではなくて、就学相談の時の結果の通りに戻すために、かなり校長と市教委が今後早めに養護学校の方へ行くためにすぐに体験入校を…とやったらしい。

 G君の両親は、養護学校の小学部はもちろん、たくさんの小学校の特学を見学して、その上でここを選んだ…という、熱心で、学校に協力的なご家庭だ。それなのに、1学期の最初の面接からこれか…と聞いて腹が立った。というか校長、器が小さすぎ。

 たとえうちのSを追い出しても、こっちは残すべきだろう!(もちろんそうは言わないが) とこのアホな判断にびっくりした。

 お父さんとの立ち話で、「うちももう1年間言われているけど、ひとまず今もずるずる粘っているから大丈夫です。しばらくはとぼけていられますよ。少なくともうちがいるうちはまだ大丈夫とご安心ください! 」とお話しした。

 まさかな…とは思っていたが、1年生の1学期でこれだから(うちですら転学の話題は3学期からだった)、今日、会って話せてよかった。今後は共闘できるかな…。

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2006/07/27
通知表 「障害児と生きる日常(26551)」 [ 最近のことの日記 ]
 もう1週間前になるが、通知表をもらっていた。

 うちの特学は、ABCとかの項目がなくて、各教科の様子が文章で書いてある。

 一番見事だったのは図工の所見(たぶん専科の先生が書いた)。

 
 「授業の半分は、何かを探しているか、何かをかじって楽しんでいました」 

 
 この書き出しには、いつもやっている、手に何かをもって口にパンパンぶつけてウロウロしている様子が目に浮かんで笑ってしまった。

 それでも一応作品が残っていたりするから、先生たちがんばってくれているなあ。

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2006/07/29
本屋の店頭で 「障害児と生きる日常(26551)」 [ 最近のことの日記 ]
 今日、スーパー○イエーにいつもどおり買い物に行った。

 ここの飲食店は、ややオープンな感じで座れるし、麺類・お好み焼き・・たこ焼き・ソフトクリームなどSの好きなメニューもあるので、外食練習としてよく使っている。

 また例のジュースもここの食品売り場でしか買えないのでほぼ毎週通っている…。

 で、そのスーパーで、2階のトイレに行く時に本屋の前を通るのだが、今日のSは、いつも見向きもしない本屋の『売り上げベスト10』展示コーナーに突っ込んでいく。

 で、いつもはさわらないのに、急に第1位の本を手に取ろうとした。

 「ブー」「ウー」とか何か訴えている。

 ひとまず、買う予定はないのでその本を元に戻してトイレに行った。

 で、もどってきた時にまたその前を通る。

 また第1位の本の前に立ち止まり、今度はその本の中の写真の1カ所を呼び出して、「ブー」と吠えている。

 こんな時に、買って喜びそうな本なら迷わず『買い』なのだが、今日は思わず背筋が寒くなってしまった。

 その本は、「世田谷一家殺人事件」

 そして、その表紙の「被害者宅」の写真の窓を指さしていたのだ…。

 

やばいなあ、なんか見えてたのかな…。

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2006/08/01
歯医者 「障害児と生きる日常(26552)」 [ 最近のことの日記 ]
 Sは乳歯に虫歯があり、昨年から「要治療」となっている。

 が、昨年は地元の歯医者に予約したものの、危険?を察してか、車を降りまいと大抵抗。二度ばかり予約をすっぽかして断念した。

 で、今年こそ…とまたチャレンジ。いつもSTとOTで行っている療育センター内に歯科ができたので、慣れた場所の中での移動なら可能だろう…と予約した。

 実は「本番」はまだなのだが、今日のSTの時に、慣れるように、部屋を開けて見せてもらった(通常その曜日は休診)。

 いつもSTで使う場所のとなりなのだが、STの先生が、無理をさせずに、カードを持って移動する流れの一環で、自然に本人を行かせて、中から声かけだけしてくれた。

 部屋の前までは走っていったのに、中を見た瞬間、廊下をぴゅーっと走って逃げた。

 で、また近づいてくる。誰かに無理やり入れられないか、まわりをキョロキョロしているのがおかしい。

 そのうちドアの前からのぞくようになり、しばらくしてからやっと中に入った。普通の歯科より子ども向けにしてあるとはいえ、消毒のにおいなどあの独特な歯科のムードがあり、やはり何か違うのだろう。

 しかし、一度中に入ると、いろいろな物をさわってウロウロし始めた。何かこわさないか心配である。そのうちSTの先生にうながされて、治療の時に座るイスに…座るか…と思いきや、やはり警戒している。

 私が一度座ってみせると、その後でマネをして座った。とりあえず、今日のところはよくやった!

 イスに座っている時に、「お口、アーン」とか言っていると、少し口を開けた後、走って逃げていった。

 さあ、来週の本番はこれに、「白衣の先生?」とかもいるはず。どうなることやら。

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2006/08/03
わくわく? 「障害児と生きる日常(26552)」 [ 最近のことの日記 ]
 あさってから2泊3日で熱海に家族旅行に行く。温泉&部屋から花火大会を見る&水遊び…の予定だ。

 ところがSはこの何日か少し鼻水が出る。ここでカゼひかれると、キャンセル料は発生、大きな荷物は今日これから送ってしまうし、どうやって送り返してもらうか…など、さまざまな問題があるので、なるべくがんばって欲しい所だ。

 今日・明日と学校のプールがある。大事をとれば行かないのが一番だが、熱があるわけでなく、家でじっとしてるとストレスでかえって機嫌を悪くして泣いて、そのうち寝込む…になっても困る。よほど寒くなければ、普通に過ごすのが一番…ということで、今日はこれから歩いてプールにお出かけである。

 それにしても、普通ならただワクワクする家族旅行…。毎度毎度、行けるかどうか本人の体調や機嫌を天に祈り、ここに公園があるかどうか前もって調べるとか、お気に入りにグッズは入れたか(持ち物表作成)…とか、ここまで緊張感があるのも大変である(笑)。

 ちなみに毎回作る「行程表」。ほとんど仕事のような感じで、何時に何があって、その時の注意は…などのスケジュールと仕事分担を作成して、夫婦であわてなくてすむようにしている。「家族旅行」に行くだけなのに、「行程表」とか「細案」のようなものがあるのはたぶんうちだけだな…。

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☆2006/08/03
プール欠席 「障害児と生きる日常(26552)」 [ 最近のことの日記 ]
 Sのことではない。今日のSはクソ暑い中はりきって、最高速度で家から学校まで歩き、最短記録で学校に着いた。プールだとそんなに楽しみか…日頃の途中で寝転んだりするのは何なんだと言いたくなる。

 ついて受付を済ませた後、特学の教室で着替えていると、自閉トリオのひとり、A君がまだ来ない。一緒に来るY君のおうちの人も「どうしたんだろうねえ」と言っていた。

 そこへ、前半の部でプールに入っていた高学年のA君お姉ちゃんが登場。ニヤニヤしながら、みんなにこう伝えた。

 「あのね、A君ね、昨日、○ロナミンCを5本も飲んでお腹こわしたから、今日来ないかもしれないよ!」

 一同、「えー、5本ー!」

 いったいどういう状況でそうなったんだか…(たぶん勝手に一人で次々飲んだのかな)。


 おかしかったのは、いつも一緒に来るY君のお母さんが言ったひとこと。

 「ほんとは、『元気ハツラツ!』なはずだったのにね…」

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2006/08/04
待ち時間交流 「障害児と生きる日常(26552)」 [ 最近のことの日記 ]
 夏休みのプールにSを連れて行く際、時間に余裕を持って出るので、まだ受付が始まってなくて、列に並ぶことになる。

 並んで待つ練習になるので、わざと列に入れてがんばらせるのだが、その時に他の学年の通常級の子たちとの交流があって楽しい。

 そんな早くにはりきって並んでるような子たちだからか、なんだか妙におもしろい子が多い。Sのやることに興味を持ちながら、親の私と一緒に「これこれ」とか言っている。

 ちなみに昨日は、自分のプールカードを落として、拾うかと思ったらその上にせっせと砂をかけ始めた…。

 みんなで「これこれ、だめだよー」。

 後ろに並んでいた小3の男の子のプールカードはすでにボロボロ。ケースに入れずに折ったり丸めたりしてもう何回も持ってきたからだ。はしっこがすこしやぶれていたので、「これ、Sに見つかると、『チー』って切られちゃうよ。紙を細かく切るの好きなんだよ。」なんて言うと、まわりの子たちの好奇心をあおったのか、一斉に自分のプールカードをちょっとやぶって切り込みを入れた。

 まわりから差し出される「ちょっと切り込みの入った紙」。Sは小3のお姉さんやお兄さんの紙をとろうとしては逃げられて、「ウー」とか言いながらも楽しんでいる。(ひとつまちがえばからかっているようにも見えるが…)

 で、やはりちぎる所を見たいのか、最初のボロボロカードの子がわざと紙を渡すと、まあお見事、一瞬にして、『チー』とたてに一筋、紙をちぎった。

 「オー」と歓声があがる。

 その1本の紙を、手の中で、細かくちぎって、でも落とさずに左手に握っていく。で、ちっちゃくなった紙切れを、となりの女の子に「はい」という感じで渡した。

 みんな大爆笑。

 そういう、ことばを越えたコミュニケーションを楽しんでいた。


 ひとつだけ心配なのは、ちぎられたプールカードの子が「あんたのカードなんでこんなにボロボロなの」と親とか担任に言われて、「○○学級のS君にちぎられた」と言うと困るなあ…。まんざらうそじゃないし! (「S君のお父さんがやらせた」とかはもっとこまるな…)

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2006/08/06
熱海旅行一日目 (8月5日) 「障害児と生きる日常(26552)」 [ 最近のことの日記 ]
 朝早くに電車に乗り、新幹線に乗る。Sは新幹線は3度目なので、すっかり慣れていてご機嫌。

 駅で、前回よく食べた中華彩膳という弁当を朝食に買うが興味なし…。やっと食べ始めた頃にはもう降りる時刻。しょうがないので冷房の効いた新幹線の駅待合室で続きを食べさせた。降りたお客で待合室にいる人も珍しいか。

 その後、路線バスでホテルへ。バスを降りると目の前は海辺の児童公園だった。Sは降りるなり目の前の段を乗り越え、すべり台に突撃!

 しばらく遊んでいたが何しろ陽射しが強い。金属部分などは、やけどしそうなすべり台だった。

 その後、5分ほど歩いてホテルへ向かう頃にはSはすでに「お疲れモード」で「もう歩けない攻撃」で寝転がろうとしたり、そのうち私の首に巻き付く。

 最初から肩車で入場となった。

 チェックイン前に、ホテルの小さなプールへ。慣れない場所のせいか、まずは着替えで泣く。しかし水に入るとご機嫌。

 そのうちまた泣き、トイレへ。最近水に入るとトイレが近い。その後、トイレを出る時には大泣きになり、もうあがることにした。が、着替え中も、その後のロビーでも泣き続け、ほぼパニック状態…。

 チェックインする時には「大変なのがいる」とホテルの人も思ったにちがいない(最初に思われといた方が気が楽でもあるが)。

 今回のホテルは、うちにあった条件を必死で探しあてたところだった。 

 今までの経験から、ベッドがないと跳びはねられないせいか、深夜落ち着かない、だから洋室がよい。

 慣れていない場所では外食が難しい。親がゆっくり食べるには部屋食がよい。でも普通は部屋食は和室だ。

 その両方をかなえるのが『和洋室が標準』というこのホテルだった。

 しかも、海の幸と温泉という「親の希望」もちゃんとかなえてくれる。お値段も他と比べれば安いくらいだった。

 部屋に入ったSは結構落ち着いていた。

 シクシク泣くこともあったがやはり部屋が広い(和室と洋室部分がある)といろいろイタズラもできて気が紛れるようだ。

 注意事項とか風呂の時間とか書いてあるパウチされた紙を、当たり前のように持ち歩いて、遊んでいた。

 今回のオプションは「熱海花火大会」!

 ちょっと離れてはいるが、なんと部屋から見えるのだ。

 2泊3日だが、その分、この日だけは一人5千円も高い!!

 たまたまこの日がまだ予約とれたし、人混みの花火大会にわざわざ行ってまで、間近で見ることも今後なさそうなので、思い切ってこの日をとったのだ。

 ようは「とれちゃったから行こう。これも運命だ」というぜいたくだったのだ。
 自分とこのホテルの東館が邪魔になって一部見えなかったが、大きな花火はよく見えて大満足。屋上に行けばもっと見えたのだろうが、「Sが落ちるかも」とハラハラするよりも、「野放し」にして安心な状態で部屋から見た方がよいということでそのままだった。最後のナイアガラは肝心な部分が見えなかったが…。 

 Sもかなり不思議そうに見ていた。最後はちょっと飽きていたが、とりあえず二人で1万円分(Sは幼児扱いにしたので宿泊無料)、ひとり3333円の価値はあったかも…。

 興奮したのか、夜はなかなか寝なかったが、1時には寝てたからまあいつも通りか…。

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2006/08/06
熱海旅行二日目(8月6日) 「障害児と生きる日常(26552)」 [ 最近のことの日記 ]
 二日目の今日はゆとりの日程。

 朝から、熱海サンビーチに行こうかと思ったが、去年泳いだ時のあまりの水の汚さに、泳げる海もっときれいなもの(山陰の海)と思っている私は閉口していたし、日曜日で恐ろしく混んでいたので、やめた。

 『マリンスパあたみ』というプールと温泉の両方がある施設に行った。

 が、こちらも人でごった返していた。

 男子更衣室は冷房もなく熱気ムンムン。入場してプールを横目に見て「さあ、すぐに泳げるぞ」と思っていた?Sは、「なぜこんなところに入るんだ」と大泣き。いくら「着替えたらプールです」と言ってもダメ。

 汚い更衣室の床に寝転がってパニック。しばらく放っておいた。が、場所が男子更衣室なので、まわりのみなさんは「子どもの大泣き」に慣れてない。なんだか白い目で見られていたような気もした。
 
 それでも、その後復活。流れるプールや温浴施設の泡などを楽しんだ。

 お昼は館内のレストランへ。ラーメンの汁を飲んだ。

 その後、ソフトクリームを追加注文。しかし、レストランの人手不足はすごかった。20人くらいの列が前に進まないままそのうち40人くらいに…。Sは座席で待っていたがさすがに時間切れ(笑)。ソフトクリームが来た頃にはもう泣いて帰ることとなった。

 ホテルにもどって、大きなお風呂『ローマ風呂』とかいうのに入った。温泉の湯船はSには熱いのだが、最初は入らずに立ってボーッとながめて、そのうち足先だけつけて、そのうち足だけ入れて歩き始め、だんだんと二人で湯船の中をお散歩。そのうち広い湯船の真ん中まで行ったり、湯の流れるところをさわったり、くつろいで座ったりして楽しめた。

 昼間だから空いていたのもよかったが、前もってホテルのホームページの写真で見せたのがよかったのかも…と「自閉症児の親としての準備」をした自分に感心(笑)した。

 夕食後に海辺を散歩。行くだけ行って帰りはバスに乗ろうと思ったが、8時なのにもうない(笑)。タクシーを捕まえようとしても空車の2台が無視して通り過ぎた。近場に別にタクシー乗り場があったからか、サンビーチからだとぬれているからイヤと思われたのか、Sがまた肩車だったので「めんどうそうな子ども」と瞬時に判断されたのか…そんなあきらめ状態で(20分歩くぞ)と思っていると、次のタクシーが止まってくれた。

 初乗り料金(670円)で着いたのだが、降りる時に、「近いのにすみません。拾ってもらって助かりました。」とよくお礼を言った。妻もそう思っていたのか、なんと降りる時に「お釣りはいいです。せめてもの…」などと言ったそうだ。

 すげえ! 金持ちみたいだ! しかし、出したのは1000円札どころか、700円だったらしい(笑)。

 この日のSは、よくねていた(11時頃)が、妻はもっと早く寝ており(9時頃)、なんだかすごいなと感心した。そんなに寝てはもったいないと思う私は、夜中のローマ風呂で泳いだりしてくつろいだ。

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2006/08/07
熱海旅行三日目(8月7日) 「障害児と生きる日常(26552)」 [ 最近のことの日記 ]
 最終日、朝食も部屋食でのんびりした後にチェックアウト。

 それでもまだホテルのプールへ行った。その後さらにSとローマ風呂へ。

 ところが脱いで風呂のそばに行ってから気がついた。

 なんとお湯がなくて清掃中! くわえタバコのオッチャンがポリッシャーとかをかけている。

 やばいと思ったが、反対側の小さい方のお風呂は入ってOKで、Sがそれに納得して一安心。

 よく怒らずに持ったなあと感心した。

 お昼は、熱海銀座の中華料理屋『海王』に。「ぐずると大変なので」と勧められた場所を断ろうとしたが、すいていたので大丈夫かと、中心部のその席に座った。

 なかなかおいしかった。Sも、チャーハン・春巻き・ラーメンの汁とこの旅行中の小食がうそのようによく食べた。

 そのせいか、最後まで騒がずにいられた。

 会計の時に店のおばちゃんに褒められてしまった。

 「お行儀がいいですねえ。手がかからない子なんでしょう?」

 思わず苦笑い。たぶん、初めて言われたかも。

 おばちゃん、手づかみで食べるシーンは見てなかったようだ(笑)。

 ちなみにSはレンゲでラーメンの汁を飲む時はなぜか上品だ。


 帰りの列車は、新幹線ではなく、特急に乗った。

 前方のよそ様のおこちゃま兄妹は、やりたい放題、大騒ぎ。

 じいちゃんが注意しても逆らってばかり。

 わがままを言って、そのうち母にしかられて、妹?は大泣き…おさまったと思ったら静かになってどうやら睡眠していたようだ。

 うちもそうだが、障がい児の親の方が「世間様にご迷惑をかけないように…」とピリピリしてるけど、結構みんな好き放題やな…。

 Sは降りる頃には後ろの席におばあちゃんに手を差し出し、握手を求めて、受け入れられ、「あら、かわいいわねえ」と愛想を振りまいていた。

 やるな、おぬし。

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2006/08/08
熱海旅行 追加 「障害児と生きる日常(26552)」 [ 最近のことの日記 ]
 旅行中に新たに開拓できた外食のお店がある。

 初日の昼に行ったお好み焼き屋だ。

 今までも、デパ地下にあるようなお店のお好み焼きを食べてはいたが、鉄板で焼くようなお好み焼き屋さんは無理だと思っていた。

 その店「嵐山(らんざん)」をのぞくと、お座敷がなくて、籐の四角いイスが鉄板の前に4つあるようないかにも昔ながらのお好み焼き屋さん。

 ちょっとのぞいて「こりゃダメだ」とやめようとした瞬間、開けたドアのすき間からSが店内に侵入!

 本人がその気ならと食べることにした。

 店に入るなり、鉄板をさわり、熱くてびっくり! でも騒がずに席についた。 

 ラムネを飲んでご機嫌。

 私がお好み焼きをまぜたり広げたり…焼くのをじっと見ている。

 キャベツを中からちょっと抜き取り、生で食べる。

 注意されて笑っている。

 待てないことが一番の心配だったが、鉄板が目の前にあるのは、手順が見える分、待てるらしい。

 さらに鉄板焼きで生野菜が来たので、キャベツに玉ねぎにいろいろと食べた。そして焼き上がったお好み焼きも食べた。

 目の前で焼くタイプの店…今後は要チェックだ!

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2006/08/11
初・歯医者 「障害児と生きる日常(26552)」 [ 最近のことの日記 ]
 前回、STの時に、歯科の部屋をのぞいていたのも功を奏し、今日はその部屋に入ろうと何度もドアの前に行って興味津々。

 しかし、時間がすっかり押していたようで、40分以上待った。するとそのうちに待ち疲れてぐずり始めた。

 前の女の子が(小学校高学年くらいのやはり自閉症かな?という感じの子)治療しているところをのぞいてしまい、「悲鳴」とも「歓喜」ともとれるような声を治療台であげていたのを聞いてしまった。

 「S、お姉ちゃん楽しそうだね(笑)」とは言ったものの、やはり悲鳴とばれたようで、拒否反応を示し始めた。

 自分の番が来ても手すりにしがみつく…ので、抱っこで入場。

 他のイスになら座ったので、そこで歯磨きをしながら様子を見てもらった。

 で、結果は乳歯の虫歯が4本。すでに黒くなっている。奥の方なのですぐ抜けるわけでないし、やはり治療した方がいいとのこと。

 後日(といっても予約が取れたのは11・12月)、全身麻酔でいっぺんに治療する…という一大事になってしまった。

 徐々に歯医者に慣れていくのは、それとは別に少しずつやっていくことにして、やはり「ここが恐い」とならないように、押さえつけたりしないでやることとなった。

 だからといって、普通に治療できるようになるにはどれだけの時間がかかるかわからないので、それを待っていると虫歯の進行の方が早いでしょう…ということだった。

 思い切って、全身麻酔コースを申し込んだ。

 ちなみに、今日は治療台のイスに寝ころべず、「枕にチュッ」と言われて、5秒間だけ横になれた。確かにこのペースじゃ、虫歯4本の治療まで何回通うことになるやら…だから、しょうがないな。

 いい子で歯の治療を受けるちびっ子諸君はえらい! 

 私は大人になっても虫歯の治療で時々涙がポロリ…となっている。

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2006/08/15
S画伯 「障害児と生きる日常(26552)」 [ 最近のことの日記 ]
 時々、妻とお絵かき帳に「線描き」や「グルグル描き」をしていたSであるが、一昨日から急に目覚めて、長時間「グルグル描き」をするようになった。

 今日は朝から、自分でスケッチブックを出して、水性ペンやクレヨンのセットを出してきてグルグルグルグル…とやっている。

 以前は、ペンを渡されて嫌々やる…という感じだったので、この「自主的に…」というところが我が家では大ニュースであった。

 水性ペンが出にくくなってかすれてきても、グルグルは続く…不思議な模様となったグルグルは、かなり無理すれば芸術だが、やはりただの落書きなのだが、描いているSの顔つきと手つきだけはすっかり『画伯』なのである。

 画伯のすばらしい活動の一方で、激しいグルグル描きのために、どのパジャマもお腹の当たりがペンやクレヨンで汚れている…のが困ったところである。

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2006/08/16
S画伯の本日の芸術 「障害児と生きる日常(27092)」 [ 最近のことの日記 ]
 S画伯の芸術活動(笑)に気をよくして協力していたが、本日の昼には大変なことになっていた。

 ちょうど、朝、掃除をしていたらベッドの下から出てきた、『服についても洗えば落ちるクレヨン』5本セットを渡すと、またグルグルと描き始めた。ただ、やたらとクレヨンの粉が飛び散るなあ…と思っていた。

 私が新聞を読んでいる横で、熱心に描き続けるS画伯…。チラッと見た時には、同じページがクレヨンで少し盛り上がっていた。粉も少し飛んでいたので、小さな、部屋用掃除機でまわりを掃除した。

 その後、S画伯はベッドに移動。ここには昨日まで使っていた『水性ペン』のセットがあるので、そちらで上に塗ってみたかったらしい。

 ほっておいてから、しばらくして見ると、Sを中心にベッドのシーツや掛け布団の色が違う色になっている! 

 クレヨンの粉が、想像を絶するくらいの量で飛び散っているのだ。ただ描いていて飛んだという量ではない。
 
 クレヨンで描いた上に、水性ペンでグルグルやり、そのうちペン先がつぶれてなくなったようだ。

 今度はその飛び散るのが楽しくて、削り取る作業を延々とグルグルやっていたようだ(推定)。

 現場をより荒らされないように、怒ったり大声を出さずに、粛々と(笑)掃除をした。

 「色を付けて削り取る」…なんかそんな技法もありそうだな。でも、うちでは今後禁止!

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2006/08/17
ドームプール 「障害児と生きる日常(27092)」 [ 最近のことの日記 ]
 あいにくの雨だったが、今日しか出かけられないので、Sと妻と私の三人で、市内にあるプールに行った。

 市民プールではないのでお値段は高い! ドームプールは温水プールで、一年中やっている。他にも、となりに夏だけやっているプールがあって、サスケみたいなのとかいろいろ楽しむものがあって大人気。この夏も、土日は、この施設に行く人たちのために起こった道路の大渋滞を何度も見た。

 しかし、今日は平日だし、朝からの雨。うちのように市内の人間はともかく遠くからわざわざ泳ぎには来ないだろう…と思い出かけると…

 すでに第1駐車場(500台収容?)は満車、第2駐車場に回されてバスで行けとのこと。そんな初めてのことにびっくり!

 あんたら、どこからわいてくるんだ!というくらいに人が次々と入ってくる。
 
 その流れに乗りきれず、我が家は入り口から少しはずれたベビーコーナー(以前来た時もゆったり遊んだ)のすべり台でマッタリと遊ぶ。ついでだからと混んでいる更衣室に行かずにSの着替えはここで済ました。20分くらい遊んだ後、いよいよプールへ突撃。
 
 入ってまたまたびっくり! ドームプールは芋のこを洗うということばそのまま、ぶつかられないようにスペースを確保するのがやっとである。

 多少の雨でも外のプールに行くかと思い、移動開始。かなり歩いてやっとたどりついた。ところがこっちも人気のコーナーがあるせいかかなり人がいる。でもまずは入るか…と足を入れてびっくり!

 「氷水かい!」というくらい冷たい。時々上から雨が降っているからだが、この冷たい中、遊んでいるあんたらは何者なんだ! うちは「これはやばい」とまたドームプール(温水)にもどった。

 ちょうどうちがドーム内の子供用プールに落ち着き場所を見つけくつろいでいる時に、ドームプールにまた人が増え始めていると思ったら、1時間に一度、大きな波が起こるらしい。それを待ってプールにぎゅうぎゅうづめの人たち。

 波が来た! だんだん大きくなる。だんだん悲鳴も聞こえてくる。喜んで声をあげている人もいれば、泣いている子どももいる。上から見ていると、ぎゅうぎゅうづめの状態で大波に襲われた『阿鼻叫喚の地獄絵』が想像されて、少し恐かった。

 Sはその一番遠くの波打ち際で、「エーゲ海」のような波を(行ったことないけど映画から予想)少し楽しんだ。

 この施設には水着のまま入れるお風呂などもあり、今日はそこにも何度か行った。そこも混んではいたがみんなあまり動かないのでプールよりはマシだった。食事をはさんでまたプール・お風呂と入り終了。

 また出口(入り口)付近のベビーコーナーのすべり台を独占し遊んでから帰った。

 11時に来て4時に帰ったので、一番混んでる時間にいたと思われる。今度は帰る人波がすごかった。県内の遠くから来る家族連れの時刻と重なっていた。せっかく近いのだから今度また混みそうな日に来る時は、もっとゆっくり、夕方に来よう…と心に決めた。

 そういう話を妻にすると、「混んでる時はもう来ない」と違うことを心に決めていたようだった。

 さすがに疲れたのか、Sは、自宅を前にして車中で爆睡。いろいろと刺激が多かった(人がたくさん)のか、4時間後の今は起きて大泣きしている。


 私も、刺激が多かった(水着ギャルがたくさん)のか、家に帰ってすぐ2時間ほど爆睡しました…。

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2006/08/18
Sのトイレトレーニング 「障害児と生きる日常(27092)」 [ 最近のことの日記 ]
 以前、苦労しているSのトイレトレーニング(ビッグベン編)のことを話題にして、その後の経過を書き忘れていた。

 それまでの経過を簡単にすると、

 1 紙おむつにする→シャワーでおしりを洗う がSにとって当たり前になっていた。(義父母が1階でいつもやる)

 2 紙おむつにする→トイレでトイレットペーパーでふき、トイレに流す。(2階でだけ私がやり始めた)


 もともとは1だけだったが、1と2が並行した時期がここしばらく続いていた。


 3 そろそろと思われる時にうながして洋式トイレに座らせ、そこでやる。

 ついにこの3ができた時に、ほめちぎった。なかなかタイミングが合わず、トイレを出た後紙おむつにしたりしていたのだが、ある時、久しぶりに成功したのでその日に目の前でほめまくった。1階に行ってもみんなから拍手を受け、まんざらでもなさそう。

 そして 1と3が並行した時期が続いた。2階にいる時は何日か連続して成功し、そのうち、1階でもやっと布パンを履かせておくようになってきた。

 そのうち、3に慣れてきて、「ビッグベンを催すと2階に行きたがる」 または 「2階に来るとビッグベンをしたくなる」ことが多くなってきた。

 なぜだかわからないが、「そろそろ出そうだ」というサインが私にしか見破れないのだ。他の家族は見落としてそのまま布パンにされてしまう…それが多いうちにSの中で、「うんちは2階で」ということになったのかもしれない。

 今は「自分から行く」ということまでは成功していないが、気づいてもらってほぼトイレでできるようになってきた。時には、トイレの前に立って、「ウー」とアピールすることもある。(それなら自分で入ればいいのに)

 ビッグベン問題が解決すると、おむつ消費量もかなり減り(夜中の対策で使う時もまだ少しある)、便秘になることも、なってもその日数が減ってきた。

 ただ、ひとつまだ問題が残っている。

 妻の補助でやったことが1回。義母の補助でやったことが1回。私の補助でやったこと…多すぎてカウントできず…。

 他の人とでもできるのだが、2階でやるというよりも、「父とやる」ことが標準になってしまっているのだ。ひどい時は、妻が目の前にいて足を押さえていた時はやらなかったのに、「いや、絶対に出る」と言って私が交代するなりブリブリっとやられた日には、「お父さんの頭の臭いをかぎながらやる」のがSのこだわり…とまで言われるようになってしまった。

 乳児の頃、あまり下の処理をしなかった分、今頃、『うんこ当番』になってしまった。

 抜け出すには本人の自立以外しかない!

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2006/08/23
インラインスケート 「障害児と生きる日常(27092)」 [ 最近のことの日記 ]
 先週の土曜日、地域の養護学校のPTA主催行事(遊びの会)にまたまた参加した。

 Sは、春先に下が土の公園で遊んだ時に、よその子のインラインスケートを借りて少しやったぐらいだから興味は持っていると思われた。

 一年前にこの行事に参加した時、最初はおもしろがったが、思うどおりに行かずにイヤになり寝転んだ。そのうち歩行補助器具が登場するとまたちょっとだけやって、その後大泣きした。30分持たなかったような気がする。そして違うコースの水遊びコーナーに移動してほとんどこっちで過ごしたのだった。

 土の上ではすべらないから余裕で歩いていたが、この日は体育館なのでよくすべる。ヘルメットやひざ当てをなんとかつけて(すぐ脱ぎたがる)立った。

 一人にするとただ立っているだけで、人の手をつかむと少しだけ前に進む。日頃の思い切りの良さとは違い、なかなか慎重派だ。

 休憩をはさみながらもなんだかんだよくがんばって、1時間半くらい最後までやり通した。休憩時間はもうダメだという感じでスケートを脱いでいたのだが、自分で「ちゃんとやらなきゃ」とでも思った?のか、他のコーナーへ移動しようとすると、自分でスケートを持ってきて「まだやる」とアピール! これはうれしかった。

 ひとりでは結局すべらなかったが、誰かが目の前にいて呼んだり、手を取ったりするとスイスイすべって成長を感じた。うまくなるとうれしい半面、心配も…。

 昨年もいた、高等部くらいの年齢の推定自閉症のお兄さん…すごくうまいのだ! しかし、狭い体育館で、ちびっ子がフラフラしていてもお構いなしにガンガン猛スピードで走る走る。一応、四カ所にコーンが置いてあって、そのまわりをグルグルちゃんと回っているのだが、ギリギリでよけながらガンガン走るのでニアミス続出。

 ニアミスを越えて、寝転んで駄々こねていたところを頭をひかれた?という中等部の子もいた。ヘルメットはつけていたようだが…。

 途中の休憩の時に、そのお兄さんはスケートを脱いでいたのだが、裸足でもスキップしながら走る走る…。こだわりのスピード好きお兄さんだったようだ。

 彼を見ていると、「うまくなりすぎるとまた違う心配があるのだな…」とちょっと考えてしまうのであった。私が同じくらいうまくなればついていける?のだが…、いつか秘密特訓が必要か?

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2006/08/26
小さなお祭り 「障害児と生きる日常(27092)」 [ 最近のことの日記 ]
 昼に、教え子たちとの同窓会バーベキューがうちのそばの川で行われて、いつのまにか(6時間くらい飲んでいていつのまにかってこともないが)かなり飲んでいた。もちろん結構酔っぱらっていた。

 が、夜は夜でSを連れて地元商店街の小さなお祭りに妻と三人で出かけた(出かけさせられた)。いわゆる祭礼ではなくて、それぞれの店や個人が小さな店を路上に出している「夜のフリーマーケット」という感じだ。

 お祭り=人混み=Sが抱っこを要求=しょうがなしに肩車をして疲れる・・・という図式がお祭りやディズニーランドとかでいつも成り立っていたのだが、普通のお祭りより人出が少なくて歩きやすいせいもあってか、この日のSはよく歩く。途中、知り合いに会ったり、Sの同級生のおうちの人のお店があったりして、気が紛れたのがよかったのか、折り返し地点でかき氷を食べられたのもよかったのか、うちから約2km分くらいの往復の道のりを自分の足で完歩したのであった。

 途中の店で、見覚えのある竹細工のきれいな光に足を止めると、昨年度、私の勤務校で学習指導員をしていた先生が店番をしながらウグイス笛を吹いていた。その竹細工の電灯は昨年度学校長がお借りして学校玄関を飾っていたものだ。

 「これがそうだとよくわかりましたねえ」なんて言われながら、いろいろな作品が飾ってあるのを見せていただいたが、今年度は制作に専念できた(もう会社を引退した後に自宅の工房で作品を作っている。というか工房とか庵とか自体も自分で作ったりする人なのだ。昨年度はつい魔が差して?中学生相手に学習指導員とかをしてくれていた)ということで、たくさんすてきな置物があった。

 もちろん、もし値段を付けたら相当するであろうと思われるようなものを私は買ったりしないのだが、値札がないので一応聞いてみた。すると、「ああ、値札のないヤツは売り物じゃないんですよ。いい感じのができたら人に見てもらいたくてね。(笑)」

 ということで、店というよりはそうやって興味ある人との会話を楽しんでいる…という素朴なお祭りの中の素朴な店であった。

 Sはおじさん(というか先生)のウグイス笛に興味津々。吹いているのを奪おうとまでするので、「あげるよ」と言われたのだが、一応芸術家のものだし、珍しく値段のあるものだったので200円で購入(というか安い)。

 今日も一日、竹製のウグイス笛が朝から鳴り響くのであった。

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2006/08/27
マスのつかみどり 「障害児と生きる日常(27092)」 [ 最近のことの日記 ]
 町内のマスつかみどり大会が河原であった。

 毎年、夏の最後のイベントとして行われる。とるのは主に小学生とそれ未満のお子様たち。前日に川の流れから伏流を作り、一部を石でせき止めた浅瀬で行われる。獲ったマスや鮎やウナギ(当日放流)は次々とおじさん(中には料亭の職人さんも)たちの手でさばかれ、炭火で焼かれていく。他にもおばさんたちの作る焼きそば・ゆでとうもろこしもあり、かき氷、さらに生ビール…ととてもすばらしい!

 Sもこの数年参加するようになったが、「魚を捕る」という 目的を本人は持っていないので、浅瀬の中をウロウロするだけ…。そのうち他の子どもたちの勢いに押されて泣く…ということが多かった。

 今年はやや慣れてきたのかまわりの大騒ぎも気にせずに、「まるで魚を捕っているかのように」水の中に手までつけて「水遊び」をしていた。

 私が握っている鮎を見せたりすると、口のところをつついたりはするのだが握る気なし…。でもまわりの子が楽しんでいる中で一緒に楽しめてよかった。

 Sが小学校に行くようになったり、私が中学校に行くようになったことで、数年前よりも近所に知り合いが増えたので、先の焼き魚・とうもろこし・焼きそば・かき氷・ビールなどが遠慮なく手に入るようになった。向こうから声をかけてくれるので楽だ。

 そして、今年はついに食べ物を一通り満喫した。結構寒かったので、あまりいると風邪をひきそうなので早めに引きあげた。そんな寒い時なのに「かき氷」好きになったSは、他の人の食べていたかき氷を食べたいと手を伸ばして必死にアピール。作ってもらったブルーハワイシロップがけかき氷を河原でほぼ完食した。

 家に帰って、シャワーを浴びる時にくちびるが妙に青紫色で「体冷えすぎたか?」とびっくり。口を開けた時に見るとベロも真っ青!

 ただのブルーハワイシロップだった。

 ついでだが、Sがかき氷を食べているのを見たあるおばさまが「あら、ブルースカイにしたの、いいわねえ!」と言っていた。つっこめなかった。


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